自閉症とは?

脳の機能障害

自閉症は親の育て方が原因なのではありません。従来の多くの研究から脳の機能障害によって起こることが分かってきています。診断基準にもなる3つの行動特徴と脳機能障害の関係は現在のところ下図のように考えられています。

 

脳機能障害をもたらすなんらかの原因があります。おそらく幾つかの原因がからみあっているのだろうと考えられています。それらの原因の総和により、ある特定の脳機能障害がおこり、そのために精神機能の障害がおこり、一方では認知の障害、他方では情緒の障害として表れます。そして、成長とともに行動という形でこの障害が表れてきます。また環境(外的世界)と自己の感じ方(内的世界)が相互に作用して行動特徴が強まったり弱まったりするのです。

自閉症には精神発達遅滞や脳波異常、てんかんの合併が比較的多いため、脳機能障害があることは明らかです。しかしその本態や原因までは分かっていないため、診断の決め手になるような検査や、根本的な治療といった問題が未だ解決されていません。今後も自閉症を明らかにする目的で生物学的な研究が主に必要と思われます。