4. 病院で出来ること −よりよく生きていくために−

療育のねらいと課題

Stage III-1
物に名前や用途の理解はしているが、円の大小比較ができない段階
(健常児では2歳半前後に相当)

状態像 各領域

認知・言語: 単語や表現を覚える.
コミュニケ−ション: 言葉の使用は制限されて会話は成立しない.
遊び: 型通りの遊びや簡単なみたて遊び.
対人: 自分の興味本位.パタ−ン的で一方的.
異常行動: 日課の流れのパタ−ンへのこだわり.興味の範囲が狭い.パニック.
*Stage III-1の前期・後期の目安は複数指示が可可能かどうかである。

言語 情緒 対人

ねらい 課題
@言葉の世界を豊かにする 物の名前をちゃんと言って聞かせる
本人のわかる範囲で場面にあった言葉を教える
A文字や数、比較などの概念の基礎をつくる 興味のあるトランプ、ひらがなカード、絵本や雑誌などで楽しみながら文字や数の理解を促す
日常の中の興味のある物で数や量、色などを教える
絵と単語のカードを合わせたり、壁に貼ったりして文字への興味と理解を促す
B挨拶や簡単な2語文、相互のやりとりができる 学校や外出から帰宅した時、具体的な質問をしてやりとりを促す
要求の時に2〜3語文で表現できるようにする
C事前の声かけで納得し、行動を調節できる 明日の予定などを言い聞かせる
D対人関係を広げる
家族での団欒や外出の機会を持ち、社会的な経験を積む
友達と家族ぐるみで付き合い対人関係を広げる
地域の行事には積極的に参加する

適応行動

ねらい 課題
E自分のことは自立的にする 身の回りのことは自分でできるようにする
着脱や食事のマナーを身につける
F初歩的な社会的スキルやマナ−を教える 簡単な日常のあいさつをできるようにする
家事の手伝いがしっかりできる
(例:調理・配膳・食器拭き・洗濯物干し・布団の上げ下ろし・カーテンの開閉・買い物の補助 等)
スーパーでの買い物ができるようにする
公園や公共機関などで基本的なマナーを教えていく